居宅部門ブログ(2024年2月)台東区ってどんなところ?

2024.02.05

お知らせ

グレース居宅介護支援事業所 城東の内藤です。

 

皆様いかがお過ごしでしょうか?

早い物でもう2月ですね、私が入職してから1年があっという間に過ぎました。

 

今回は事業所所在地である台東区についてお話させて頂こうと思います。

 

ご存じの方も多いかと思われますがまず東京23区で一番小さな区です。

しかしその反面、エリア毎で全く異なる顔を見せてくれます。

 

恐らく一番有名なのは浅草寺や雷門ではないでしょうか。

連日の様に観光客でごった返しており人力車に乗って観光を楽しむ方も見られます。

神社やお寺が非常に多く、346ヶ所もあるそうです。

 

浅草と言えばお祭りという方もいらっしゃるかと思いますが、実は浅草近辺は皮革製品でも有名だったりします。

ご利用者様にも元々そういった工場に勤められていた方や、原材料である革を取り扱うお仕事をされていた方が多くいらっしゃいます。

 

今度は上野エリア、上野と言えばやっぱり上野動物園ですよね。

同じぐらい有名なのはアメ横でしょうか?

一時はコロナの影響で人もまばらだったそうですが今は観光客や買い物客で以前の賑わいを取り戻しているようです。

 

こういった今も変わらず賑わう場所もあれば、変わりゆく地域もあります。

 

「山谷」と呼ばれる地区は戦後復興期から高度経済成長期にかけて、建築関係の日雇い労働者が数多く集まっていたそうで今も簡易宿泊所が多く立ち並ぶ地域です。

過去には暴動があり、話だけを聞くと物騒なイメージを持たれる方も多いかと思います。

しかし当時はバリバリ働いてきた職人さん達も時を経て介護保険を利用されるようになってきています。

 

私もこの地区の方を担当させて頂いていますが、その中でもこの地区のイメージが変わったエピソードがありますのでお話できればと思います。

 

A様 70代 男性

 

過去に現場で事故に遭い、大きな手術をされており現在は宿住まい、廃用性症候群の影響で歩く事が難しいという状況から支援が始まりました。

デイサービスでお風呂に入って頂こうとするもご本人から当日キャンセルが続いてしまい敢え無くデイサービス利用を断念。

福祉用具とヘルパーのみの援助で生活を続けていましたがこの頃はぶっきらぼうで中々本音を言わない方、というのが私達のイメージでした。

 

しかしある時、血液検査の数値が悪く病院での検査を行った所、末期のがんである事が判明。

そのまま入院となりましたがご本人は煙草を好まれており「宿に帰りたい」「煙草が吸いたい」と常々訴えられ病院も対応に困窮していました。

私達も限られた制度の中で対応できる方法を検討しましたがご本人の拒否もあり難しい状況でした。

 

しかし宿の管理人さんが「ウチなら大丈夫、居てくれていいよ」と快く応じて下さり退院が決まりました。

その後も宿の周辺を歩いてはお酒を飲み、立ち上がれなくなり救急搬送される等トラブルも多くありましたが周囲の協力とサービスの力を限界まで使いながら生活を続けています。

 

そうした関わりの中で、ご本人が何か困っていると同じ宿の方だけでなく近くを歩いていただけ、顔を知っているだけという方が何かと手助けをして下さる場面を良く見掛けました。

30代~40代の男性が一緒に買い物に付き添って下さっておりお話を伺うと「最近毎日一緒に買い物へ行ってます」と笑顔で答えて頂きました。

 

身寄りも無く病を抱えながらも一人で生活が続けられているのはこういった周囲の方々のサポートがあってこそなのだと改めて感じました。

 

こうした関わりを経た事もあるのかご本人はヘルパーさんや看護師にも心を開き、私に対しても度々「ごめんね」「ありがとうね」という言葉を掛けて下さるようになりました。

 

初期から関わって下さっている栄養士さんが初めに言われていた「彼には心の栄養が足りてないのかも」という言葉を思い出し、今Aさんの心の栄養は大分潤っているのかも知れないなと感じました。

 

今後もこの人情味あふれる台東区に根差していけるよう頑張っていきたいと思います。

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